みなさん、子宮内膜症をご存知ですか?
左のイラストは、卵巣チョコレート嚢腫を表しています。どれが、卵巣チョコレート嚢腫だかわかりますか?
⇒正解は、画面の左下の白く見えるのが左卵巣チョコレート嚢腫です。
このイラストは、最初のものよりも重症の子宮内膜症です。ご覧のように、臓器同士が癒着して、何がなんだか解らなくなっています。子宮内膜症が重症化していくと、このようになっていくのです。
子宮内膜症とは、出産可能な女性の10%に認められます。したがって、決して珍しい病気ではありません。ですので、月経痛が強いと感じた方は、きちんと子宮内膜症の有無をチェックするのが良いでしょう。
さて、子宮内膜症とはどんな病気なのでしょうか?
子宮内膜とは、本来、子宮の内腔にある組織です。そして、周期的に、増殖と脱落を繰り返し生理出血を起こします。
しかし、なんらかの原因で、その子宮内膜組織が、子宮内腔以外に存在する状態を子宮内膜症と言います。この場合、増殖して脱落した内膜組織が逃げ道がないため、局所を刺激して痛みや癒着を引き起こすのです。
子宮内膜症は、内膜症組織が増殖して病変を作る場所によって、病気の名前がかわります。
これら内膜症が生じる場所によって、起こる症状もかわってきます。
右の図は、正常な子宮と卵巣のイラストです。子宮と直腸の間にダグラス窩という骨盤の底があります。ここに、子宮内膜症が発症すると臓器間の癒着が起こり、進行すると深部子宮内膜症を引き起こします。