兎と檻

うちには、タレ耳ウサギのロップ君がいる。

一歳くらいのオス。

食欲旺盛。

快便だ。

最近、タオルケットを相手に発情している。

 

70cmくらいの檻に入っている。

 

その中で、

飛んだり跳ねたりして、

檻が動く程だ。

まるで、幽閉された革命家のよう。

 

しかし、

 

檻の扉を開けっ放しにすると

動きがピタッと止まる。

そして、隅で息を殺す。

 

扉が閉まっていた時は、

あんなに動き回っていたのに。

 

“出てくればいいのに”

 

と私は思う。

 

チャンスを待っているのだろうか?

 

それとも、

檻の中につれ戻される事を知っているからだろうか?

 

あるいは、何かを恐れているからだろうか?

うちには、小さな猛獣が一杯いる。

 

ウサギと違って私たちは檻に入っていない。

でも、結局、自分で檻を作っているのかも知れない。