裏の世界

医者の世界には、裏当直というのがある。

待機ともいう。

 

それは、病院でなにかあると、呼ばれる自宅待機の先生のことである。

 

産婦人科にはお産があるので、

常に緊急の帝王切開が必要になるかもしれない。

 

だから、裏当直にあったったら、

30分以内に駆けつけられるようにしておかなければならない。

 

当然、夜中でも。

 

産婦人科ほど、急を要する科は他にないであろう。

 

当直の回数も、外科のほぼ倍らしい (産婦人科7.2回、外科3.5回)

なんと、救急の医師より多いらしい。(救急6.5回)

 

いま、その産婦人科医療が崩壊の危機に瀕している。

担い手がいないのである。

 

いまは、朝の3時。

今日は、私は裏当直であった。

緊急の手術が終わりこれから帰るところである。