The road of “神の手”④
最近
“腹腔鏡手術にまつわる事件・事故”
の話をよく聴く。
今日は腹腔鏡手術がなぜ難しいか
についてお話しする。
私は、
よく腹腔鏡手術をアイスホッケーに例える。
(実は、私は大学時代アイスホッケー部)
腹腔鏡手術とアイスホッケーはよく似ている。
さて、まったくの初心者がすぐに
アイスホッケーができるだろうか?
おそらく、無理。
きっとまっすぐ進むことすらおぼつかない。
スケートしながらホッケーをやるなんて、神業!
それゆえ、アイスホッケーはとてつもなく
難しいスポーツに見える。
では、まったくの初心者、
グランドホッケーならどうだろう?
ちょっとは様になりそうな気がしないだろうか?
アイスホッケーに比べると・・・。
なぜなら、私たちは、自由自在に陸上を
走る能力があるからだ。
(グランドホッケーをやってる方
気分を悪くしたらごめんなさい)
なぜアイススケートでは、まっすぐ進むことすら
難しいのだろう?
それは、足の動かし方が陸上の歩きとは全く違うから。
スケートでは、前に進むのに足を横に動かす。
通常行う動作と違う動きが必要。
もし、あなたが氷上を自由自在に
滑れる人だとしたら、どうだろうか?
アイスホッケーはできるだろうか?
できそうな気がする。
ホッケーするだけだから。
つまり、腹腔鏡手術では、
アイスホッケーのように
自由自在にスケートが
(体内で自由に鉗子を動かしたり、
物をつかむこと)
できなければ話にならないのだ。
でも、自由自在にスケートが
滑れれるようになるまでには
大変な時間と努力が必要なのだ。
もし、自由にスケートが滑れもしないのに、
アイスホッケーの試合にでたらどうなるだろう?
怪我をするだけだ。
本人が怪我をするのは自業自得だが、
相手(患者さん)が怪我をする羽目になったら、
たまったものではない。