今、ロボットが猛威を奮っている。
医学の世界も例外ではない…。
考えてみると、人類は常にロボットに敗北してきた。
第一回目の戦いは、18世紀のイギリスだ。
紡績機械の登場によって、多くの労働者が職を失った。
第二回目の戦いは、1970年代。
多くの産業用ロボットが登場して、多くの職人が仕事を失った。
第三回目の戦いは、1980年前後だ。
アップルやIBMに代表されるパーソナルコンピューターの登場により、
多くの事務員が職を失った。
それらのInnovative(革命的)な製品は、登場初期こそ、
人間に受け入られる事を拒絶されたが、
それらの圧倒的な能力によって、
容赦なく人間社会にInvasion (侵入)した。
そして、今、彼らは、医療界にも戦争を仕掛けてきた。
そう、医療用外科系ロボット:Da Vinciの登場だ。
ロボットごときに手術なんて出来るか?
と思っている医者はすでに死んでいる。
残念だが、私は1mmの血管を縫う事は出来ないが、彼らは出来る。
泌尿器科の世界では、前立腺手術はDa Vinciの方が当たり前だ。
外科手術がロボットに取って代わられるのなら、
もう、内科医になるしかない?
世の中は、そんなに甘くない。
内科では、人工知能を備えたIBMのワトソン君が
待ち構えている。
EBM(データに基づいた医療)を語らせたら、
コンピューターにかなうはずがない。
もはや、病気になったら、
薬局に行って、ちょっと血をとり、
ワトソン君があらゆる遺伝的素因と過去の医療データを調べ上げ、
最適な薬を処方してくれる日がくる。
そう、これからは多くの医者が職を失う時代だ。
えっ、“私はどうするかって?”
“基本、新たな勢力には乗るしかない”
しかし、残念ながら、私は(Da Vinciに)乗り遅れてしまった。
だから、ラパロで鶴を折っている(神の手チャレンジ)。
最後まで、ロボットと戦う“レジスタンス”といったところだろうか。
そして、勝利の機会を伺っているのだ。
しかし、私は断言する“最後にはロボットが勝つ”
でも、 “レジスタンス”は地を這いながら生き残る!
“神の(手の)御加護を!”
PS.
そんな時代であるのに、小学生新聞には“将来安心職業として医師”が挙げられている(写真)。
小学生の皆さん、現実はもっと厳しいぞ!Fightだ!
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産婦人科医 (金曜日, 11 3月 2016 14:23)
先生のブログを楽しみにみています。
ロボットは確かにすごいと思いますが、今のままではコスパが悪すぎると思います。
婦人科の範囲では保険も認められていない状況で、高齢化がすすんで健康保険医療が成立できるか分からなくなってくる時代にロボットが残っているとは思えません。今ラパロでできることをわざわざ大金をはたいてロボットで行うのは単なる自己満と思えてしまいます。
先生はどのようにお考えですか?