2014年 4月 第66回 日本産科婦人科学会

生殖・女性ヘルスケアのシンポジウムでの東京大学の平田先生のお話を紹介します。子宮内膜症と免疫の関係の話しです

 

 近年、体内の免疫を調節する免疫細胞の中に、病原性が高いT細胞(Th17)の存在が注目されています。リウマチ等の炎症性疾患においても、その関与が指摘されているのですが、子宮内膜症に置いても、このTh17細胞が重要な役割をしていることがわかってきました。

 腹腔内に逆流した異所性の子宮内膜間質細胞のCCL20(フェロモンのようなもの)に引き寄せられて、CCR6(フェロモンを感じる鼻のようなもの)陽性のTh17細胞が集まってきて、この細胞インターロイキン17(刺激ホルモンみたいなもの)を分泌して、さらに腹腔内の子宮内膜間質細胞の増殖を促進するとの事です。この悪いサイクルが続く事によって子宮内膜症が悪化していく事が考えられているとの事です。

 そして、朗報としては、このインターロイキン17の刺激をブロックする治療法がもう少ししたら可能と考えられるという事です。というのも、他の疾患(乾癬)等で、すでにこの治療法が試みられているという事です。

 新たな治療法が子宮内膜症に取り入れられるのが待たれます。

 

平田先生とは、東大に手術のお手伝いをしたときに一緒に食事をさせていただきました。非常に、研究熱心な誠実そうな先生でした。

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